4 所有権

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参照先 ： https://doc.rust-jp.rs/book-ja/ch04-01-what-is-ownership.html

所有権のおかげで、Rustはガベージコレクタ無しでメモリ安全な処理を実現している。

プログラムとメモリ

すべてのプログラムは、実行中にコンピュータのメモリの使用方法を管理する必要がある。

具体的なメモリ管理方法

各言語によって特色がある。

• ガベージコレクション：定期的に使用されていないメモリを検索する
• メモリ利用の明示：メモリの確保・開放を明示的に行う
• 所有権システム

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スタックとヒープ

Rustのようなシステムプログラミング言語においては、値がスタックに積まれるかヒープに置かれるかは、 言語の振る舞い方や、特定の決断を下す理由などに影響以上のものを与える

スタック

• LIFO
• push - pop
• 高速
• データをやりとりする際にアクセスする場所は常に一番上と決まっている
• 場所を探す必要がない
• スタック上のデータは全て既知の固定サイズである必要がある

ヒープ

• サイズが分からない または サイズが可変 のデータはヒープに格納する
• ヒープにデータを置くとき、OSはヒープ上に十分な大きさの空の領域を見つけ、使用中にし、ポインタを返す(allocating on the heap | allocateする)
• ポインタは既知の固定サイズなのでスタックに積んでおくことができる
• データにアクセスする際はポインタを追わねばならないのでスタックよりも低速
• ヒープに大きな領域を確保する行為も時間がかかることがある。

関数実行

コードが関数を呼び出すと、引数や関数のローカル変数がスタックに載り、実行が終わると取り除かれる

所有権が解決する問題

• どのコードがどのヒープ上のデータを使用しているのか把握する
• ヒープ上の重複するデータを最小化する
• メモリ不足を防ぐためにヒープ上の未使用のデータを掃除する

所有権の存在する理由はヒープデータの管理である

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所有権規則

所有権のルール：肝に命じておく

• Rust における各値は、所有者と呼ばれる変数とたいおうする
• いかなるときでも所有者は一つ
• 所有者がスコープから外れると、値は破棄される

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2つの文字列型

• 文字列リテラル
  • 大きさが明らかなので、バイナリにハードコードされる
  • 不変なので可能
• String 型
  • コンパイル時にサイズが不明なテキストを保持できる
  • from関数を利用して、文字列リテラルから生成できる
  • 可変化できる

let mut s = String::from("hello");

s.push_str(", world!"); // push_str()関数は、リテラルをStringに付け加える

println!("{}", s); // これは`hello, world!`と出力する

String 型によるヒープの操作

1. 実行時にOSに対してメモリを要求する
2. String 型を利用し終わったら、OSに使用していたメモリを変換する

GC のある言語では、2 はGCの責務となっている。
それ以外の言語では、allocate - free という組み合わせを確実に書くことでメモリを管理する

Rust では、メモリを所有している変数がスコープを抜けるタイミングでメモリを自動的に変換する。
このときRustは drop と呼ばれる特別な関数を呼ぶ。
閉じカッコで自動的に drop関数が呼ばれる

• 要素の生存期間の終了地点でリソースを解放するパターンを、C++ではRAII(Resource Aquisition Is Initialization: リソースの獲得は、初期化である)と呼ぶらしい

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クローン

String型のヒープデータも含めたdeep copy が必要な場合はclone を利用できる。

let s1 = String::from("hello");
let s2 = s1.clone();

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コピー

Stringやint系の型で、束縛文には意味的な違いがあるわけではない
束縛するときにコピーするのがスタック上のデータのみというだけなので、shallow copy や deep copy という概念は無い

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コピー後に古い変数を利用できるかどうかは、 Copy トレイトという注釈を追加できるかどうかで決まる。
Copy トレイトはスタックに保持される型には配置可能

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一般的に、単純なスカラー値の集合は Copy 。

Copyの型

• 数値型
• bool (論理値型)
• 浮動小数点型
• char (文字型)
• Copyの型だけを含むタプル

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所有権と関数

関数に変数を渡すと、代入のようにムーブやコピーがなされる（「関数に値を渡す」ことと、「値を変数に代入する」ことは似ている）

引数に値を渡すと、その値を持っていた変数の所有権は移動するが、返り値として返した場合は所有権が関数の外にもどってくる

所有権を取り、返すことを毎回やるのは面倒
String -> (String, usize) みたいな関数をつくるとか

値だけを使わせるために参照を利用する

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参照と借用

https://doc.rust-jp.rs/book-ja/ch04-02-references-and-borrowing.html

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借用

• 関数の引数に参照を取ることを借用と呼ぶ
• 所有権を受け取ることがないので借用
• 借用したものに破壊的な変更を加えることはできない

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可変な参照

fn function(s: &mut String) {
    s.push_str(",here.");
}

引数の型を mut にしてから & で参照にする

• 一つのスコープで可変な参照を複数持つことはできない
  これにより、データ競合を防ぐことができる。データ競合すると未定義の動作をするので、デバッグが困難

let mut s = String::from("hello");

{
    let r1 = &mut s;

} // r1はここでスコープを抜けるので、問題なく新しい参照を作ることができる

let r2 = &mut s;

可変な参照を複数持ちたい場合は、スコープを分割する

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• 不変な参照を行っている間も、可変な参照をすることはできない。
  不変な参照を利用する人間は、データが不変であることを信頼できる

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ダングリングポインタ

ダングリングポインタ：

他人に渡されてしまった可能性のあるメモリを指すポインタのことであり、その箇所へのポインタを保持している間に、 メモリを解放してしまうことで発生します。

• Rust では、参照がスコープを抜けるまでにデータがスコープを抜けるコードは書けない
• => ダングリングポインタが発生しない

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まとめ：参照の規則

有効な参照は、

• 可変参照一つだけ
• 不変参照いくつでも
  のどちらか

参照は常に有効である（dangleしない）

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スライス型

[WIP]https://doc.rust-jp.rs/book-ja/ch04-03-slices.html

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文字列スライス

• String の一部への参照
• &str という型

以下のように書く

    let s = String::from("hello world");

    let hello = &s[0..5];
    let world = &s[6..11];

    let hello = &s[..5]; // でもOK
    let hello = &s[6..]

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文字列リテラルはスライス

• 文字列リテラルの型は、&str
• &str は不変な参照なので、不変な文字列として扱えることがわかる。

引数としての文字列スライス

関数の引数に &str 型があるとき、Stringの参照をそのまま渡すことができる。
このとき、関数にはString全体のスライスが渡されることになる

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一般的なスライス

配列に対するスライスも利用できる

let a = [1, 2, 3, 4, 5];

let slice = &a[1..3];

このスライスの型は&[i32]