ERC-7702 に関する調査

[yawn-c111]

背景

• 現在、Pimlico による Account Abstraction（AA）により、Privy 経由でログインしたユーザーに対してガスレストランザクションを提供しています。
• 次の Ethereum の Pectra アップデートで新しく ERC-7702 という標準が採用され、それにより、既存の AA を実行することでユーザーの EOA からトランザクションを実行したことになる機能が実装されるそうです。
• この機能を導入すれば、以前から toban や様々なクリプトアプリで問題になっていた、「AA を使用するとガス代肩代わりとUX向上は可能だが、アプリごとにユーザーに別のアドレスを利用させてしまうことになり、ロックインやサイロ化、コンポーザビリティ阻害の可能性がある」という問題が解決される可能性があります。

ターゲット

クリプトに精通していない toban のユーザー

目標

ERC-7702 の概要を調査する

そもそもどのような機能なのか、概要の調査をお願いします。

Pimlico の AA と ERC-7702 を統合できるのかを調査する

既存の Pimlico の AA を利用したまま ERC-7702 を導入できるのかの調査をお願いします。

調査の結果を簡易的にまとめて共有する

コントリビューター間で、調査の概要を理解できるように簡易的にまとめた文章を作成してください。
フォーマットや分量はどんなものでも大丈夫です。

[mashharuki]

https://docs.pimlico.io/permissionless/how-to/eip-7702-demo

demo ドキュメント出てますね。

[ikmzkro]

これやらせてください。

[ikmzkro]

そもそもprivy経由でログインしていなかったので、4337の課題感を知るところから始める。

ワークスペース作成、役割の作成、役割の付与までは確認できた。
https://sepolia.etherscan.io/address/0xd8ac1f0f649a6516bcc49e0331c15f44a3df041f#internaltx
https://sepolia.etherscan.io/tx/0x6c576f483b39eeb4fdbdb584121993b3a5aee8900a0f512c7c425483bb7760c5#eventlog

作成されたコントラクトアカウント
0xD8Ac1F0F649a6516bCc49e0331c15f44A3df041F

利用しているエントリーポイント
https://sepolia.etherscan.io/address/0x0000000071727De22E5E9d8BAf0edAc6f37da032#code

[ikmzkro]

1. ERC-7702 の概要を調査する

概要

ERC-7702は、Ethereumの次期アップデート「Pectra」に向けて提案されている、EOA主体のAccount Abstraction（AA）を可能にする仕様。

これまでのERC-4337ベースのAAでは、「ユーザーはスマートアカウントを使う必要があり、EOAとは別のアドレスになる」という課題があった。 これにより、UX・ガス代肩代わりなどの利点はある一方で、アプリごとに異なるアドレスが発生してしまい、下記のような問題が生じていた。

• アドレスの分断（コンポーザビリティの阻害）
• 他アプリとの連携難（UXの断絶）
• ユーザー資産の分散と把握の困難化

ERC-7702が解決すること

• EOAをそのまま使ったまま、スマートアカウントの機能を一時的に使うというアプローチ。
• EOAがUserOperationに「スマートアカウントのロジック」を添付することで、AA的な処理が実行できる。
• トランザクション単位でのみスマートアカウントを“注入”する形になる。
• トランザクションごとに「任意のロジックをinject → execute → EO署名による承認 → 状態はEOAに帰属」。

技術的なポイント（Fireblocks記事も参考）

• authcallという新しいプリコンパイルコントラクトを利用して、EOAがスマートアカウントロジックを指定し、それをコールに含められる。
• 署名はEOAが行い、ウォレット拡張機能（Policy Engineなど）を通じてトランザクションに任意の認可・ポリシーを追加可能。
• スマートアカウント自体をデプロイする必要がない（on-the-fly）。

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2. Pimlico の AA と ERC-7702 を統合できるのかを調査する

• Pimlicoは現状、ERC-4337ベースのAAインフラ（Bundler・Paymaster）を提供している。
• ERC-7702の登場によって、AAの送信元が「スマートアカウント→EOA」に変わるだけであり、UserOperation形式自体は踏襲されるため、
  • PimlicoのBundlerやPaymasterは基本的に再利用可能。
  • 特にガス代肩代わりのロジック（Paymaster）とは独立して動作するため、変更点は最小限で済むと考えられる。

技術的統合イメージ

• 既存のPimlico SDKでUserOperationを生成・送信する構成は活用可能。
• UserOperationの送信元をEOAとし、必要に応じて authcall によるスマートアカウントロジックを付加。
• 将来的にはPimlico側からERC-7702対応SDKやミドルウェアが提供される可能性が高い。

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3. コントリビューター向け簡易まとめ文

1. ERC-7702は、ユーザーがEOA（元々のアドレス）のまま、Account Abstractionの機能を一時的に使える仕組みです。
2. これにより、アプリごとにアドレスが変わってしまう問題（アドレスのサイロ化やUX断絶）が解消されます。
3. トランザクションごとに、EOAからスマートアカウントロジックを一時的に呼び出してAA処理を実行します。
   • スマートアカウントの恒久的デプロイは不要です。
4. PimlicoのPaymaster・Bundlerなどのインフラはそのまま活用できる可能性が高く、移行コストは低いと考えられます。
5. 「ガス代肩代わりしつつ、アドレスはそのまま」という設計が実現可能になります。
   • UX向上とコンポーザビリティの両立が期待されます。

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参考リンク

• https://eip7702.io/
• Fireblocksブログ：https://www.fireblocks.com/blog/security-first-approach-to-eip-7702
• Ryohei Komiyama（X投稿）：https://x.com/ryoheikomy/status/1897938947143352422
• Zenn記事：https://zenn.dev/ryokomy/articles/4d276d070fee67

[ikmzkro]

従来:            ERC-7702:
EOA             EOA
 ↓              ↓
UserOp署名       UserOp署名
 ↓              ↓
SmartAccount    authcall
（恒久的に存在）  ↑ injectされたスマートロジックを一時実行
 ↓              ↓
実行＆状態更新   状態はEOAに帰属

[ikmzkro]

本当にEOAからauthcall等でスマートアカウント処理を行っていることを保証するためのチェック。
このアドレスには何のコードも存在しない＝純粋なEOAである＝CAではない。
https://docs.pimlico.io/permissionless/how-to/eip-7702-demo#confirming-the-eoa-has-no-code